エビデンスの重要性

2016.10.02

森下駅徒歩2分　前島歯科医院の前島昌世です。

先日テレビの番組で紹介されていた教育経済学者の中室牧子さんの著書「学力」の経済学という本を読みました。
私にも子供がいるので興味深い内容だったのですが、大まかな内容は今まで、個人的体験や科学的根拠のない思い込みなどで議論されてきた教育に関して、科学的、統計学的根拠（エビデンス）に基づいた議論をしましょう。そうすると教育の常識とされていることを覆すようなデータもあって、そういった教育に関してこれってどうなんだろうという疑問に、科学的データが教えてくれることを紹介しているといった感じです。

私が共感したのは、教育にエビデンスの概念を持ち込んだ点です。歯科を含めた医学では統計学的に有意差があると論文で示され、それが再現性があると認められることで、その治療法などの有用性が認められます。医学は人の体に関するものですし、ともすれば命にも関わるので、エビデンスに基づいた治療をするというのは、ほぼ常識になっています。教育も子供の人生に大きく関わるものと思いますので、エビデンスに基づいた教育法が確立されるのであれば、非常に説得力がありますし、自分の子にもしてあげたいですね。ご興味がある方は一読されると良いと思います。

ちなみに歯科でも治療法や常識とされていた内容が時代の流れとともに変わっていっています。エビデンスによって過去のエビデンスが覆されたりするわけです。ですから歯科医師も常に勉強が必要です。そのためになるべくセミナーや講習会に参加するようにしています。