前島歯科ブログ BLOG

摂食嚥下治療のセミナーを受講してきました。

森下駅徒歩2分、墨田区菊川の前島歯科医院の前島昌世です。
先日、摂食嚥下治療についてのセミナーを受けてきました。
高齢化社会の到来が言われるようになり久しいですが、歯科界でも訪問診療を行う医院が、だいぶ増えてきました。
今年四月の保険改正でも口腔機能低下症(オーラルフレイル)という病名も導入され、ますます今後ニーズの増加とともにその方向にシフトしていくものと思います。
人は加齢とともに予備能力が低下し、フレイル(虚弱)段階として、健康、前フレイル、フレイル、要介護の順に弱っていきます。その中の前フレイルの症状の一つにオーラルフレイルがあります。歯を失ったりして物がよくかめないといったオーラルフレイルの状態が続くと、健康状態が悪化し少しずつ弱っていってしまいます。逆に言えば、オーラルフレイルの段階で、適切に対応しよくかめることで健康状態の悪化をくいとめることができます。これは当院でも普段から行っている、自分の歯でずっとかんでいただきたい、そのために虫歯や歯周病で歯を失わないように、虫歯は小さいうちに治し、歯周病は進行しないよう定期的に歯石などを取りましょうといったことで、お役に立てることなのです。

今回のセミナーは基礎的なものでしたが、テクニック的なものより大事なお話が聞けたように思います。
我々歯科医師は、虫歯があれば修復する、治すといった考え方が、身にしみついています。
それに対してリハビリテーション医学は治す治療ではなく支える医学、障害を扱う唯一の医学であり、考え方、見方を変えていかなければならないことから、お話がありました。
私の日頃の臨床でも、きちんと治せる範囲を超えてしまった虫歯を抜歯にするのか、保存するのか迷うような場合に、大きな悪影響がなければ、そのまま保存する選択をすることもありますが、なにかそこにも通じるものがあるように感じました。

高齢者医療において包括的な治療を行っていく上では、摂食嚥下だけではなく、全身管理や歯科補綴の広汎な知識も不可欠です。今後ももっと研鑽に励んでいきたいと思います。

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